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【トップインタビュー】挑戦と展望|株式会社SANN 代表取締役 馬男木由規

みなさんこんにちは!
株式会社SANNのnote編集部です。

本日は、当社の代表取締役 馬男木へのインタビューをお届けします。
起業を決意した背景やSANNにかける思い、創業から現在までの道のりや未来に向けた展望などを詳しくお伝えします🎉


株式会社SANN 代表取締役 馬男木 由規

1.経歴

高校卒業後、株式会社フルキャストへ入社。
医療系インターネットサービスを展開する会社の創業役員を経て、2005年9月に28歳で株式会社SANNを創業し、代表取締役就任。

現在は『企業と社会の課題を人とテクノロジーの力で解決する』をミッションに掲げ、デジタルマーケティングを中心とした企業課題へのソリューション事業や、福祉Techなど社会課題へのソリューション事業を展開。

2.起業のきっかけ

20代でITブームをリアルに体感。
業界を縛られず、ゼロからチャレンジできる会社を目指して起業

 20代の頃、IT業界の起業ブームに触れ、一晩で数十億円を手にするといった成功を目の当たりにしたことが起業のきっかけでした。あの時は若く勢いだけで、何をしたいという明確なビジョンはありませんでしたが、就職活動中の面接で、すでに起業を宣言していました。23歳でフルキャストの人材紹介の新規事業部に配属され、医療関係の取引先から治験や臨床試験の参加者募集に悩んでいると相談を受けるようになりました。治験はアルバイトではないため求人誌に掲載できず、人づてでの参加募集しかできなかったのです。そこで、フルキャストに登録している約80万人のアルバイトに参加者募集メールを配信したところ、たった1通のメールで数百人が集まりました。この経験がビジネスを創造し、自らが主体的に取り組む機会となり、25歳のときに先輩たちと起業を決意。医療系インターネットサービスを展開する会社の創業役員として入社し、3年間、取締役営業本部長として国内外の製薬・食品メーカーに営業を行いました。今までにない医療分野における取り組みだったため、早く治験を進めたい医療機関や製薬メーカー、治験を推進するドクターたちに重宝されました。

 経済的な成功を収めたことで、たとえこの事業が失敗しても自力で稼げるという自信が付きました。しかし、ビジネスを進めていく中で、この事業では本来期待していた「起業した感」を得られず、28歳でSANNの創業を決意します。事業を開始して最初の1〜2年は人材系、人事系、治験系、医療系などを中心に、ITや人材など業界を縛らず、ゼロからチャレンジできる会社を目指しました。人材派遣を中心に人事関連、治験を中心に医療関連などで順調に業績を伸ばしました。

3.突然のリーマンショックで売上半減…危機を打破した手法は?

リーマンショックで売り上げ半減…
余剰人材を活用し広告事業に本格参入 攻めの姿勢でIT事業も展開

 2008年のリーマンショックにより、年商3~4億だった当社は急激な売上の減少に見舞われました。人材派遣の需要が激減し、余剰な労働力が生まれたため、当時の7~8名の社員とともに、この状況でもできることをがむしゃらに模索しました。そこで、当時取引のあった商業施設でのノベルティ配布やノベルティ作成を始めます。それから宣伝活動用のコンパニオンの派遣を依頼されることも増え、テレビ業界とのつながりもできました。これが後のセールスプロモーション事業に繋がります。

 人材派遣業で売り上げが半減し大きな赤字を出していた中ではありましたが、将来への投資としてIT事業も開始。治験の参加者をWEBサービスで集めるなど、IT事業においても早い段階で挑戦し、会社としても転機を迎えます。当時はまだ普及していなかったスマートフォンの普及を見越し、クライアントのIT化を解決・支援する事業を展開する契機となりました。この時から時代の変化に対して敏感に素早く対応する事、変化を恐れずにピンチをチャンスに変えていく事を実体験として学んで行きました。

4.人材、IT、広告事業を展開する当社が福祉業界に進出した背景

人材派遣とIT技術の活用で本当に困っている人をサポートできると確信し福祉業界に参入

 パチンコ業界のIT事業も手掛けていましたが、起業から12-13年目の頃、1市場への依存度が高いことに課題を感じ、企業の成長とリスク分散を図るため、福祉分野に着目しました。日本は福祉分野における先進国であり、内需が伸びていることから、業界として成長の可能性を感じていました。中でも、人材派遣の経験を活かすことができる障がい者の方の就職支援に特に注力します。はじめは支援に苦労したものの、着実に障がい者の方の就職を成功させました。
 その後、福祉活動に賛同する仲間たちが集まり、元々の事業計画にはなかった重度知的障がい者向けのグループホーム運営に踏み切りました。さらには、グループホーム運営で見えた課題をITで解決したいと福祉Tech事業を開始。グループホーム向けのITサービスを開発しました。他社がITだけ、または施設運営だけに特化している中で、当社は両方を手がけています。そのため現場の声を反映し、誰もが使いやすいサービスを提供できると自負しています。これは当社の唯一無二の強みにもなっております。また、DX化やIoTの導入など、福祉業界の不便や悩みを解決するための可能性は無数に広がっています。IT×福祉によって福祉業界の課題を解決し、本当に困っている人々に役立てると感じています。

現場の声を反映し、これまで問題解決の手を差し伸べられていなかった福祉業界をDX化

 福祉Tech事業の誕生について、もう少しお話しさせて頂きます。障がい者を支援する介護サービス包括型のグループホーム「にじいろアパートメント」を運営する中で、現場の多忙さや情報管理に関する課題に直面しました。職員は障がい者の方への支援業務に加え、月次の請求書作成、利用者情報や個別の支援計画の整理など、ルーティン業務に多くの時間を費やしています。紙での情報管理が主体で、決まったフォーマットがないことも多いため、情報を一元管理できず業務効率化が遅れています。2024年度の障害福祉報酬改定により、報酬が+1.12%になると公表されましたが、障がい者支援の現場は常に人手不足。施設を運営する当社は、従来の管理方法に限界を感じていました。

 システム開発だけでなく施設運営も行う当社は、お客様との距離が近いことから、リアルな課題が見えます。「もっとこうしてほしい」と職員からも多くのニーズが寄せられ、福祉業界はこれまで問題解決の手を差し伸べられていなかった分野であることを実感しました。福祉業界はまだまだアナログな面が多く、効率化において伸びしろがあります。企業向けデジタルソリューションの提供に強みを持つ当社は、障がい者施設に特化したDXツール『ケア・オール』の開発に着手。このツールは支援記録の入力から各種請求まで一括管理でき、職員の年齢に関係なく直感的な操作性を備えています。また、支援記録をリアルタイムに共有することで、利用者やその家族、通所先との包括的な支援が可能となりました。一つ一つの現場に寄り添ったサービスを提供することで、少しずつではありますが課題解決に寄与しています。

 こういったツールの導入により、職員は本来の支援業務に集中でき、煩雑な業務における手間が軽減されました。結果として利用者やその家族からの感謝の言葉が増え、「ありがとう」という言葉をいただくことが一層のモチベーションとなっています。

5.目指す会社像

「三方よし」の精神に「未来よし」追加、未来から評価される持続可能な会社を目指す

 「売り手よし、買い手よし、世間よし」、いわゆる「三方よし」の精神があってこそ、「ありがとう」という言葉をいただけると考えています。「三方よし」は、大阪商人・伊勢商人と並ぶ日本三大商人の一つ近江商人の活動理念ですが、会社(売り手)の利益を追求するだけではなく、お客様(買い手)、社会全体(世間)に喜びをもたらすことが大切という考え方です。これは永続的な事業継続のために欠かせないものではないでしょうか。

 SANNの社名は、この「三方よし」から派生したものですが、この精神に、「未来よし」を追加した考えを理念としています。この理念を基に社員一丸となり、働きやすく、信用いただける透明性の高い会社を築くことを目指しています。

6.未来への展望

企業と社会の課題を人とテクノロジーの力で解決 フロムジャパンの福祉サービスで世界を目指す

 当社の成長ロードマップでは短期的にはIPOを視野に入れ、中長期的には海外展開を目指しています。特に、福祉サービスをフロムジャパンとして世界展開し、福祉や介護でのジャパンブランドを広げることを目指しています。人材派遣業からスタートした当社が「未来よし」の社会課題ビジネスにもチャレンジできると面白いと考えています。

企業理念「And it realizes―そして、実現します。」に込めた思い

当社の企業理念「And it realizes―そして、実現します。」は、仲間と共に志や夢を持ち、挑戦し続けることで、物心共に豊かになり自己実現を果たしてほしいという思いが込められています。私たちは民間企業として、世の中の課題を解決し、必要とされる存在になりたい。そのためにはIT技術だけでなく、人が不可欠であるという信念を持ち、幅広い事業展開に取り組んでいます。

個人的な展望は・・・?

 個人的な展望としては、グループ会社を立ち上げて当社から社長を100人生み出し、その社長たちと仕事をすることです。社長とは、全責任を負って、企業としてのジャッジをする立場。視座を上げることによる緊張感もありますが、社長になることはビジネスマンとしての成長における集大成ではないでしょうか。会社規模の成長だけにとらわれない適正なサービスや、やりたいことを追求できる体制をグループで展開したいと思っています。そのために私自身も社長としてスキルアップし、組織運営の能力向上を目指しています。

 グループを拡大するだけではなく、「未来良し」を理念に追加して、誰もが幸せな社会を築き「みんなで物心ともに豊かになる」ことが目標です。多様性の実現や世の中の変化に対応するために、当社のチャレンジングでタフな姿勢は不可欠。人の可能性とIT技術の組み合わせにより挑戦できる分野は無限大です。福祉分野や時代の変化を捉えた未来事業をさらに推進し、世界を視野に事業を展開します。私がそうであったように、社内の皆が熱意と強い想いをもって自発的に連続起業してくれる事を楽しみにしております。

創業から現在(19期)までの売上推移

【会社概要】
企業名:株式会社SANN
代表取締役社長:馬男木由規
本社所在地:東京都港区港南2丁目5番7号  港南ビル6F
事業内容:デジタルマーケティング事業/セールスプロモーション事業/人材派遣事業/福祉Tech事業/サテライトオフィス型の障がい者雇用&定着支援事業/福祉施設の運営事業
ホームページ: https://www.sann.co.jp/
設立: 2005年9月
資本金: 3,000万円
従業員数:90名

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